・・・(なおまた我らの信頼するホップ夫人に対する報酬はかつて夫人が女優たりし時の日当一六 僕はこういう記事を読んだ後、だんだんこの国にいることも憂鬱になってきましたから、どうか我々人間の国へ帰ることにしたいと思いました。しかしいく・・・ 芥川竜之介 「河童」
・・・ 一六 水屋 そのころはまた本所も井戸の水を使っていた。が、特に飲用水だけは水屋の水を使っていた。僕はいまだに目に見えるように、顔の赤い水屋の爺さんが水桶の水を水甕の中へぶちまける姿を覚えている。そう言えばこの「水屋・・・ 芥川竜之介 「追憶」
・・・ 一六 僕が強く当ったので、向うは焼けになり、「じゃア勝手にしろ」という気になったのではあるまいか? それなら、僕から行かなければ永劫に会えるはずはない。会わないなら、会わない方が僕に取ってもいいのだが、まさか、・・・ 岩野泡鳴 「耽溺」
・・・――明治四四、三、一六―一七『東京朝日新聞』―― 夏目漱石 「マードック先生の『日本歴史』」
出典:青空文庫