・・・スウィッチを入れると数十の電燈が一度に灯ると同じように、この植物のどこかに不思議なスウィッチがあって、それが光の加減で自働的に作用して一度に花を開かせるのではないかと思われるようである。ある日の暮方、時計を手にして花の咲くのを待っていた。縁・・・ 寺田寅彦 「烏瓜の花と蛾」
・・・スウィッチを入れると数十の電燈が一度にともると同じように、この植物のどこかに不思議なスウィッチがあって、それが光のかげんで自働的に作用して一度に花を開かせるのではないかと思われるようである。ある日の暮れ方、時計を手にして花の咲くのを待ってい・・・ 寺田寅彦 「からすうりの花と蛾」
・・・当時私は私の作物をわるく評したものさえ、自分の担任している文芸欄へ載せたくらいですから、彼らのいわゆる同人なるものが、一度に雪嶺さんに対する評語が気に入らないと云って怒ったのを、驚ろきもしたし、また変にも感じました。失礼ながら時代後れだとも・・・ 夏目漱石 「私の個人主義」
出典:青空文庫