・・・ファシズムがおこったときフランスに人民戦線運動がつくられたのをはじめとして、世界の民主的方向が労働者階級の同盟者として農民、更にその協働力として進歩的な小市民、インテリゲンツィアが連帯活動におかれている。このことは、私たちに民主主義文学運動・・・ 宮本百合子 「プロレタリア文学の存在」
・・・しかし、重要なことは、作者であるロジェ・マルタン・デュ・ガールと彼の読者である人々とはともに反ファシズムの人民戦線につき、第二次大戦でナチの侵略に抵抗したたかったという事実である。そして、西ヨーロッパの明日の運命に対して、最も重大な関係をも・・・ 宮本百合子 「脈々として」
・・・その自由党の鳩山一郎氏は、日本を救う人民戦線は拒絶して、反共戦線というものを宣言した。四月六日の『読売報知』には、ヒトラー、ムッソリニ礼讚の自著『世界の顔』についての、外人記者との対談で、「武士道は日本精神の精髄で、ナチス精神との間には多分・・・ 宮本百合子 「矛盾とその害毒」
・・・フランスが反ファシズム運動としての人民戦線、文化擁護運動を世界に提唱したときから、すべての人民層は、インテリゲンツィア、中小工業者までをふくめて、自身の生存権のためにたたかわなければならなくなった。プロレタリア文学運動が、民主主義文学の運動・・・ 宮本百合子 「両輪」
・・・それだのに、何故、この人々にとって人民戦線はいらない、邪魔なことなのであろう。この人々の利益は、保守と封建と独占された富とを否定する民主化された日本の火にはならない。彼等の護持する本体は、自身の特権である。これに反して、私たち日本の七千万男・・・ 宮本百合子 「私たちの建設」
出典:青空文庫