・・・それだのに、どうして平和の防壁とするというような人道的立場から疑問の生じる表現をそのまま流布させたり、共産主義者は新軍国主義者であるという風な世界の事実を偽った言葉をそのままにつかうのだろうか。第一次、第二次世界大戦に、その帝国主義者的侵略・・・ 宮本百合子 「平和への荷役」
・・・允子の第二の出産に於てのしっかり工合の中には、作者によって彼女の人道的医療がふれられていても、何だか硬く、自分の身を守る決心をした女の底冷たさが流れているのはどういうものだろう。息子との間は、生活的本質で断たれっぱなしで、そこはそれなりで、・・・ 宮本百合子 「山本有三氏の境地」
・・・ヨーロッパの第一次大戦において経験された破壊を心から嘆き、戦争が非人道的な所業であることを心から恥じているヨーロッパの多くの進歩的な人々は、真面目に第二次大戦を防ごうとしていたし、あらゆる形、あらゆる会議、あらゆる力の均衡を発見する方法をつ・・・ 宮本百合子 「私たちの建設」
出典:青空文庫