・・・婦人立候補者の四割八分ほどは当選して、二十八歳から六十六歳まで、三十九名の婦人代議士が、新しい明日に向って選び出されたのである。しかも、これらの婦人代議士の中には、それぞれの選挙区で最高点を得た人が五名もあった。棄権率のすくなかったこと、予・・・ 宮本百合子 「一票の教訓」
・・・数ばかりは多い婦人代議士の質の粗末さを目の前にみて、誰しもこれには同感であろうとおもう。〔一九四六年四月〕 宮本百合子 「大町米子さんのこと」
・・・ 目下の日本で、最も切迫した公の問題は、食糧危機をどう突破するかということですが、代議士たちの大多数は、これに対してどういう態度をとっているでしょうか。つい先頃の総選挙のとき、三合配給などを公約した候補者について、選挙が終ってからす・・・ 宮本百合子 「公のことと私のこと」
・・・女らしさを標語にした婦人代議士たちにしても、それはさぞうるさく迷惑なことであったろう。女は「女らしく」婦人代議士クラブというのをこしらえた。女らしく、お茶を立てて飲んだりしたが、政党間の利害は女らしさにも現実に作用して、こわれてしまった。そ・・・ 宮本百合子 「「女らしさ」とは」
新聞に、ぽつぽつと婦人代議士として立候補を予測される人々の写真などがのりはじめた。自分ではっきり立候補の計画をもっている婦人たちは、ふさわしいと判断した政党に入党手続をしたと報道されているし、立候補を予測されている人の中で・・・ 宮本百合子 「現実に立って」
・・・当時の代議士たちは、議会の白い建物の中で、一人のこらず夢のように巨額な軍事予算に賛成の手をあげて来たのであった。 国民経済は全くうちこわされ、各家庭の経済は、ひどいやりくりももうこれぎりという際まで来た。モラトリアムが、インフレ防止の非・・・ 宮本百合子 「現実の必要」
・・・この頃いろいろなことで、女子が出ても、選挙の問題や婦人の問題ばかりでなく、刑法・民法のように、まだまだ差別のあることを御承知でしょうし、婦人は公民権をもっておりませんし、代議士になって、いろいろよい施策をやるとしても、いろいろな役割をするに・・・ 宮本百合子 「幸福について」
・・・そうすると私共がどんなに良心的によい代議士を選んでも、たったひとりの人が議会を解散するといって、それを書いた紙をもって捧げて読めば解散になってしまう。それほど簡単です。私達がこれほど長い間苦痛を忍びたくさん血を流し犠牲を払ってきた。あなた方・・・ 宮本百合子 「幸福の建設」
・・・ 彼女たちは、百五十三名の、共産党代議士を選び出して、共産党を第一党としました。その中には十七名の婦人代議士が加っており、他のどの政党よりも、多くの婦人が当選しました。何人かの未亡人があるというのも、何と意義深いことでしょう。 フラ・・・ 宮本百合子 「幸福のために」
・・・たといそういう政治家が官僚の中から出たとしても、すでに議会が開けた以上は、代議士さえ聖旨にかなうような人であれば、そういう違勅の政治家を駆逐することができたはずである。しかるに同じく聖勅に違背するような不忠な代議士が選出された。明治大帝は「・・・ 和辻哲郎 「蝸牛の角」
出典:青空文庫