・・・的と見るという見方はおそらく多くの人に共通な見方であって自分が今ここに事新しく述べるまでもないことかも知れないであろうが、ただ自分が近頃彼の作品を乱読しているうちに特に心付いた若干の点を後日の参考また備忘のために簡単に誌しておきたいと思った・・・ 寺田寅彦 「西鶴と科学」
・・・ 思うままを備忘までに書いてみた、名前を挙げた画家達に礼を失するような事がありはしないかと思うが、素人の妄言として寛容を祈る。 寺田寅彦 「二科会その他」
・・・乃鉛筆ヲ嘗メテ備忘ノ記ヲ作リ以テ自ラ平生ノ非ヲ戒ムト云。」 僕が文壇の諸友と平生会談の場所と定めて置いた或カッフェーにお民という女がいた。僕が書肆博文館から版権侵害の談判を受けて青くなっている最中、ふらりと僕の家にたずねて来て難題を提出・・・ 永井荷風 「申訳」
出典:青空文庫