・・・ 学校でも共学をはじめた。そういう大学がいくつかある。その学生たちと話してみると、やはりそこでもまだ男女は十分共学されていない。大学などでは一種のアカデミックな社交性というようなもので綺麗ごとに共学されていて、たとえばアメリカの大学の社・・・ 宮本百合子 「明日をつくる力」
・・・日本の女学校教育は特別なものであったから、共学がはじまってまだほんの僅かしかたたない今日、女子学生が男の学生に比較してあとにいるという事情にも無理もないところがあります。日本の民主化されていない家庭では、女の負担が実に多い。それでもまじめな・・・ 宮本百合子 「新しい抵抗について」
・・・ ソヴェト同盟では、ほんとの男女共学です。学校の教室で机をならべて男の子と女の子とが一緒に勉強するばかりではない。寄宿舎だって部屋が違うだけで、一つ建物です。大学だって、そうです。だから、どんな男の子、女の子かということはよくお互にわか・・・ 宮本百合子 「従妹への手紙」
共学 期待はずれた今度の内閣改造の中で僅かに生彩を保つのは安倍能成氏の文部大臣であるといわれる。朽木の屋台にたった一本、いくらかは精のある材木が加えられたところで、その大屋の傾くことを支え切れるもので・・・ 宮本百合子 「女の手帖」
・・・ 近頃小学校は共学が多くなったけれども、中等学校で共学なのは文化学院ぐらいなものではなかろうか。映画は若い男と女との奔放な交渉を映し出して女学生時代の娘の感受性ばかり鋭い情感を刺戟する。学校は、今の社会の風潮が浮薄であるということだけを・・・ 宮本百合子 「昨今の話題を」
・・・互に性的自覚がおこる時機に、共学はやめられる。そして、数多の無智と愚劣な悲劇を起すブルジョア的性別誇張第一頁がはじまる。 ソヴェト同盟では、共学は共働という社会主義的見地から、この時機は注意ぶかく、然し快活に次の時代へと進められるのだ。・・・ 宮本百合子 「砂遊場からの同志」
・・・ 小学校は共学か? 女は男の大学や専門学校へ入れるか? 農村の女の生活状態――労働はどんなか? 日本の農村の主な生産はなにか? 日本に組合があるか? 共産党はあるか? 都会の工場のストライキのとき農村は実際的の助・・・ 宮本百合子 「スモーリヌイに翻る赤旗」
・・・勤労者の技術学校があるということは、そこの共学の教室へ娘たちを愉快に通わせたのみでなかった。「春」という小説にかかれているような愛らしい誇ある婦人無電手をもたらした。そして、各雑誌・新聞などを中心とする労・農通信員の広汎な発達は、大戦前後に・・・ 宮本百合子 「政治と作家の現実」
・・・托児所の揺籃から共学でそういう点でも気分が自然違うわけで、つまり子供のうちから女と一緒に働き、一緒に仕事をするということから先ず根本の感情が出来て居るから非常にはっきりして居る。 又女性の性の必然というものをソヴェト位保護して居るところ・・・ 宮本百合子 「ソヴェトに於ける「恋愛の自由」に就て」
・・・托児所の揺籃から共学です。そういう点でも気分が自然違うわけで、つまり子供のうちから女と一緒に働き、一緒に仕事をするということから先ず根本の感情が出来ているから非常にはっきりしている。 また女性の性の必然というものをソヴェト位保護している・・・ 宮本百合子 「ソヴェト・ロシアの素顔」
出典:青空文庫