・・・に冒涜を加えず、自分の周囲に渦巻いて居る事象に迷わされず、如何程僅かでも純粋に近い我を保って、見、聴、生きるべきではございますまいか。 C先生。私斯様な前提を置いてから、少し許り、私がこちらへ来てから「私」の感じた事を書いて行こうとして・・・ 宮本百合子 「C先生への手紙」
・・・ よきものが或場合受けなければ成らない屈辱や、苦難やを、無頓着らしく冷笑する事は冒涜である。人類の真実な希願を蹂躙する者は、其の同じ足で、自分の生命を踏み躙っているのだ。 私どもは屡々、自分等の足りなさから、失敗しているのは悲しむべ・・・ 宮本百合子 「断想」
・・・ これは、どちらに対しても――自己と云う箇人に対しても、子供に対しても、無良心極る冒涜です。 ロザリーは、職業の種類の選択を誤った為に「母の心」とよい調和を保たせ得なかったのでしょうか。 或は、ロザリーと云う名は、現代の女性一般・・・ 宮本百合子 「「母の膝の上に」(紹介並短評)」
・・・『働く婦人』の問題は、「尊厳冒涜」という意味のところで一応納まりました。「敏子」さんの投書と、「愛子」さんの投書の中に、共産党という三字があって、これを幸とつかまえられたのです。 四十日ばかり経つと、いつの間にか、調べの中心点がかわって・・・ 宮本百合子 「ますます確りやりましょう」
出典:青空文庫