・・・講談社がキングという雑誌を復活させたという新聞広告を見て、私は列国の教養人に対し、冷汗をかきました。恥ずかしくてならないのです。 どうして、こんなに厚顔無恥なのでしょう。カルチベートされた人間は、てれる事を知っています。レニンは、とても・・・ 太宰治 「返事」
・・・今度の事のごときこそ真忠臣が禍を転じて福となすべき千金の機会である。列国も見ている。日本にも無政府党が出て来た。恐ろしい企をした、西洋では皆打殺す、日本では寛仁大度の皇帝陛下がことごとく罪を宥して反省の機会を与えられた――といえば、いささか・・・ 徳冨蘆花 「謀叛論(草稿)」
・・・ 資本主義列国の反ソヴェト同盟カンパニアに対して作家はどう戦うべきか。この問題である。 これはソヴェト同盟にとって謂わば歴史的な課題といえる。今日にはじまったことではない。一九一七年十月、革命の第一の銃声が轟いた、その瞬間から、今日・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
・・・ ナポレオン伝において、大革命につづく混乱期に列国の旧勢力とフランス内の旧勢力とがどのように結托して、名誉ある本命の血から帝政と王制復古の馬鈴薯を生やしたかという要が解剖されていないならば、こんにちの日本のわたしたちにとって読むべき真実・・・ 宮本百合子 「なぜ、それはそうであったか」
出典:青空文庫