・・・が言語に絶する伏字、削除をもって発表されている。きくところによると、この題は『中央公論』編輯者によって変えられたもので本来は「党生活者」という題であるらしい。そして、去年の十月頃執筆されたものであるそうである。「党生活者」は、その親しみ・・・ 宮本百合子 「同志小林の業績の評価によせて」
・・・二つの大きな消しは御迷惑でも必ず御削除下さい。 とりあえず御返事申上ます。中條百合子 富澤有為男様 侍史 一九二七年八月十九日〔京都市上京区小山堀池町一八 湯浅芳子宛 新町より〕 十九日午前十一時・・・ 宮本百合子 「日記・書簡」
・・・が何故今日のような売れゆきを見せ、売られるためには読者へ格別の説明なく原典の一部が削除されるかという現実の風俗一端がうかがわれる。小説が大変に売れる。それだのに何故、その売れる作品の大部分に対して、芸術上、人間良心上の深い疑問が世人によって・・・ 宮本百合子 「風俗の感受性」
・・・それ故に、死なすという単一な軍事目的のためには嫡出子も私生子も区別はないという根拠から私生子の差別を削除したのであった。公文書その他に、士族、平民と書くことを廃止にした。この理由も同じ由来をもっている。 これは民法における女子の不平等の・・・ 宮本百合子 「私たちの建設」
出典:青空文庫