・・・ 最近の二年間に多くの自立劇団、美術、音楽、詩、小説、科学のグループをもちはじめた日本の労働組合員は、彼らの休日の大きい楽しみである映画が、輸入ものかさもなければ愚劣な日本ものしかなくなるということについて、重大な関心を示している。映画・・・ 宮本百合子 「今日の日本の文化問題」
・・・ ――張り紙よんだよ…… トラムはモスクワとレニングラードにある純粋に労働者出身の劇団である。団員はみんな若いコムソモールで、共同経済と厳重な規約の下に階級的な集団生活をやっている。そこへ加入するには必ずある一定の期間実際生産労働に・・・ 宮本百合子 「三月八日は女の日だ」
・・・サガレンでは経験されなかったらしいが、一九三〇年ごろからソヴェトでは自立劇団と少数民族劇団が年に一度モスクワで演劇オリムピアードを開いて、一年間の成果を評価しあう。そのような労農通信員のルポルタージュ・コンクール、小説コンクールももたれ、優・・・ 宮本百合子 「しかし昔にはかえらない」
・・・ピオニェールの活人画みたいな劇、移動劇団がやって来て大道具をつくって芝居する。キノがある――記念すべき一晩をゆっくり、集団的に、楽しみの裡に階級的意識を鼓舞されつつ過すのだ。 ――……ソヴェトの労働者たちが世界プロレタリアートにとっての・・・ 宮本百合子 「正月とソヴェト勤労婦人」
・・・何故なら、日本女はこのレーニングラードが持つ最もよい劇団の一つ「若い観衆の劇場」に、今坐って、幸福な数百の子供にとりまかれている。 舞台では、「インドの子供」の第二幕が進行中だ。 インドには、宗派による沢山の階級がある。その階級の差・・・ 宮本百合子 「スモーリヌイに翻る赤旗」
・・・ことしのメーデーに自立合唱団や劇団はどんな自分たちの催しものを、全勤労者のメーデーの賑わいに交える計画だろう。日本でもメーデーには勤労階級が自分たちのなかから芽ばえはじめた歌や踊りを行進のよろこびに加える段階に進んで来た。 今年もわたし・・・ 宮本百合子 「正義の花の環」
・・・ 詩の方面では、国鉄の詩人達が職場の詩人としての成果をしめして、ますます発展しようとしていることや、勤労者によって書かれた戯曲が自立劇団の上演目録に登場しはじめたことなどを見逃すことはできません。古い天皇制的な祝日が民主的な人民の祝日に・・・ 宮本百合子 「一九四七・八年の文壇」
一九三〇年の初夏、レニングラードから「トラム」劇団がモスクワへ興行に来た。その「トラム」劇団と云うのは皆何年か実際職場で働いた経験のあるコムソモール達に依って組織されている劇団だ。初め各々が演劇好きで倶楽部の演劇研究部のメ・・・ 宮本百合子 「ソヴェト「劇場労働青年」」
・・・ダンチェンコの指導する音楽劇団。チェホフとゴーリキーとで世界に馴染のモスクワ芸術座。国立アカデミー小劇場のように、革命以前からの古い伝統をもち、現在でも次に来るべき若いソヴェト演劇技術家指導に重大な役割を演じている劇場だ。 第二群は、・・・ 宮本百合子 「ソヴェトの芝居」
・・・ 現在松竹が一生懸命販売政策でもって、いろいろの新しいものをどんどんやっているが、本当に次の時代の人間のために考えた、子供の劇団というものを一つももっていない。あれだけの組織をもっていながら、資本主義の演劇ばかりやっていて、だからたとえ・・・ 宮本百合子 「ソヴェト・ロシアの素顔」
出典:青空文庫