・・・がはじまり、下手すると半殺しの目に会わされるだろうということと、全く同じことを意味するのである。二タス二ガ四ニ相等シイのと同じように「隊長ハ鶏ノスキ焼キガ食ベタイ」「二人ハ鶏ノ徴発ニ赴カネバナラヌ」「徴発出来ナケレバ半殺シニナル」という三つ・・・ 織田作之助 「昨日・今日・明日」
・・・ 穴の底で半殺しにされた蛇のように手足をばた/\動かしている老人の上へ、土がなだれ落ちて行きだした。「たすけ……」老人は、あがき唸った。 土は、老人の憐憫を求める叫声には無関心になだれ落ちた。 兵卒は、老人の唸きが聞えるとぞ・・・ 黒島伝治 「穴」
・・・アグニェフを半殺しにした。それっきりだ。民警さえいねえ。訊問もなければ、宣伝もねえ。俺等んとこじゃどうだったね? このコンムーナへ徒党が押しよせたってことが伝わった時、四十露里あっちから赤軍分遣隊がやって来て呉れた」「えれエ小面倒な名前・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
・・・の中に語られているように、全員に対してお八つぬきが行われ、その憤懣が、はけどころを求めて、脱走した少年を半殺しにするようなこともあるかも知れぬ。しかも、少年らは、逃げる、逃げようと欲している。感化され、馴致されることに、常に反撥している。そ・・・ 宮本百合子 「作品のテーマと人生のテーマ」
・・・「違いますよ、ただところによって名が違うと云うけれどそうじゃあありませんよ、ぼたもちは半殺しさ」「へえ? 半殺しって?」「もち米を飯にたいて、それを、あたり棒か何かでつぶすのさ」「臼でぶったたくんだね」「あらいやだ臼だっ・・・ 宮本百合子 「一九二五年より一九二七年一月まで」
出典:青空文庫