こうせいけいざいがく【厚生経済学】
社会の経済的厚生を分析の対象とし、経済政策の理論的基礎を明らかにしようとする経済学の一分野。創始者はピグーで、主著「厚生経済学」の題名に由来する。
こうせいしょう【厚生省】
社会福祉・社会保障および公衆衛生の向上・増進を図ることを任務とし、国民の保健・薬事、麻薬などの取り締まり、社会事業、災害救助、児童母性の福祉増進、社会保険・国民年金などの行政事務を担当した国の行政機関。平成13年(2001)労働省と統合されて厚生労働省に改組。
こうせいだいじん【厚生大臣】
厚生省の長。厚相。
こうせいねんきん【厚生年金】
厚生年金保険法に基づき、定められた事業所の従業員に老齢年金・障害年金・遺族年金などを給付する政府管掌の社会保険制度。昭和61年(1986)の年金制度改正により、国民年金の基礎年金に上乗せして給付される(給付の際には、それぞれ老齢厚生年金・障害厚生年金・遺族厚生年金という)。一般に、保険料は事業主および被保険者がそれぞれ半額を負担。厚生年金保険。→退職共済年金 →公的年金
こうせいねんきんききん【厚生年金基金】
企業年金の一。企業が法人格を持った基金を設立して老齢厚生年金の一部(報酬比例部分から過去の報酬の再評価・物価スライド部分を除く部分)の運用・給付を代行し、さらに独自の上積み給付を行うもの。厚生年金に納付することを免除された保険料と独自のプラスアルファ部分の保険料とを原資として資産運用することが認められている。給付する年金の計算方式が老齢厚生年金と同じものを代行型、これとは別の方式で実態に即して加算給付のあるものを加算型という。公的年金を補完するものとして、昭和41年(1966)実施。企業の退職金・年金制度と厚生年金制度との間を調整するという機能があるところから、調整年金ともいう。→企業年金連合会 →確定給付型企業年金 [補説]1990年代半ばにバブルが崩壊して資金の運用利回りが悪化し、解散したり代行運用部分を国に返上する厚生年金基金が現れた。平成25年(2013)の法改正に伴い、一定の経過期間後、積立金が一定の基準に満たない基金に対して厚生労働大臣が解散を命ずることができるようになった。→代行返上
こうせいねんきんききんほけん【厚生年金基金保険】
⇒厚生年金基金
こうせいねんきんびょういん【厚生年金病院】
平成26年(2014)3月まで財団法人厚生年金事業振興団(平成26年6月解散)や社団法人全国社会保険協会連合会が運営していた病院。全国に10施設あったが、地域医療機能推進機構などに譲渡された。→社会保険病院 [補説]厚生年金の被保険者・受給者等の福祉増進を目的として、主に昭和20年代に設置された。平成16年(2004)に、公的年金資金の年金給付以外への流用が問題化したことなどから、整理の対象となった。
こうせいねんきんほけん【厚生年金保険】
⇒厚生年金
こうせいねんきんほけんほう【厚生年金保険法】
民間企業で働く人が対象となる厚生年金について定めた法律。厚生年金の被保険者、給付される年金の種類、給付期間、金額等に関して規定する。昭和29年(1954)施行。
こうせいろうどうしょう【厚生労働省】
国の行政機関の一。社会福祉、社会保障、公衆衛生および労働者の働く環境の整備、職業の確保などに関する任務を担当する。平成13年(2001)厚生省と労働省を統合して発足。外局として中央労働委員会を置く。厚労省。MHLW(Ministry of Health, Labour and Welfare)。 [補説]同省の外局だった社会保険庁は平成21年(2009)12月に廃止。同庁が運営していた政府管掌健康保険事業は全国健康保険協会に、公的年金事業は日本年金機構にそれぞれ移行した。