・・・あれも学才があって教師には至極だが、どうも放蕩をしてと云う事になるととうてい及第はできかねます。品行が方正でないというだけなら、まだしもだが、大に駄々羅遊びをして、二尺に余る料理屋のつけを懐中に呑んで、蹣跚として登校されるようでは、教場内の・・・ 夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
・・・昨晩やっと及第いたしましてこちらに赴任いたしました。」「ハッハッハ。そうですか。それは結構でした。もう電報をおかけでしたか。」「はい。」 そこでネネムも全く感服してそれから警察長の家を出てそれから又グルグルグルグル巡視をして、お・・・ 宮沢賢治 「ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記」
・・・学科試験には優良の成績で及第したが、体格検査の時、風邪をひいていたため、病弱修学に堪えざるものとして不合格となる。体格の再検査を願ったが許されなかった。」 一九〇九年。三度高等学校の入学試験を受け、一高文科に入学。 一九一〇年。ある・・・ 宮本百合子 「山本有三氏の境地」
出典:青空文庫