・・・ また、ヴォルガ・カスピ海地方のあらゆる革命戦線に働き、共和国海軍司令部のコミサールをやった。 一九二〇年から二二年にかけてレイスネルはアフガニスタンへ外交官として暮した。翌年はドイツへ。 レイスネルの、豊富な革命的活動の経験、・・・ 宮本百合子 「プロレタリア婦人作家と文化活動の問題」
・・・ 総選挙が迫ったこの頃、連合国司令部に、その結果によっては議会の再解散する意嚮があること、対日理事会として、当選議員の資格審査も行われるだろうと云われているのは、肯ける。国際的な注目は、今度の総選挙の日本の民主化に対する危険性を見ぬいて・・・ 宮本百合子 「矛盾とその害毒」
・・・昭和二十年十一月の初旬、日本の帝国主義侵略戦争の動因の一つである財閥の解体命令が連合軍司令部から発せられた。三井、三菱、住友、安田の四大財閥が解消せられることになった。日本を破壊に導き、七千万の人口を限りない苦痛に陥入れている財閥が、解体せ・・・ 宮本百合子 「私たちの建設」
・・・ 隊から来ている従卒に手伝って貰って、石田はさっそく正装に着更えて司令部へ出た。その頃は申告の為方なんぞは極まっていなかったが、廉あって上官に謁する時というので、着任の挨拶は正装ですることになっていた。 翌日も雨が降っている。鍛冶町・・・ 森鴎外 「鶏」
・・・君だの、あの騾馬を手に入れて喜んだ司令官の爺いさんなんぞは、仙人だと思ったよ。己は騎兵科で、こんな服を着て徒歩をするのはつらかったが、これがあれば、もうてくてく歩きはしなくっても好いと云って、ころころしていた司令官も、随分好人物だったね。あ・・・ 森鴎外 「鼠坂」
出典:青空文庫