・・・スミスが提出する経済学の命題は、生活から直接獲得されたものとして、ほかならぬ彼自身の皮膚の上に書かれている。―― 然しながら、マクシム・ゴーリキイはその退屈をこらえ「絶大な緊張をもって、草鞋虫の這っている窖の壁を見つめ、坐りつづける。」・・・ 宮本百合子 「マクシム・ゴーリキイの伝記」
・・・スミスが提出する経済学の命題は、生活から直接獲得されたものとしてほかならぬ彼自身の皮膚の上に書かれている。―― 然しながら、マクシム・ゴーリキイはその退屈をこらえ、「絶大な緊張をもって、草鞋虫の這っている窖の壁を見つめ、坐りつづける。」・・・ 宮本百合子 「マクシム・ゴーリキイの発展の特質」
・・・という命題をかかげる。これはギリシア人などが極力驕慢を警戒したのと同じ考えで、ギリシアにおいても神々の罰が覿面に下ったのである。しかし彼はそのあとへ、「位よりも卑下すれば、我身の罰が当る」と付け加えている。自敬の念を失うことは、驕慢と同じく・・・ 和辻哲郎 「埋もれた日本」
出典:青空文庫