啜り泣く(すすりなく)
の例文・使い方・用例・文例(2)
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・・・ 千世子はだまって小ぢんまりした束髪に結って年にあわせては、くすんだ衿をかけて居る女のいたいたしく啜り泣くのを見て居た。「泣くのなんかお止めよ、 ね。 悪いこっちゃあないんだもの、 私だってよろこんで居るんだよ。」 ・・・
宮本百合子
「蛋白石」
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・・・一羽の鴉が、彼と母との啜り泣く声に交えて花園の上で啼き始めた。すると、彼の妻は、親しげな愛撫の微笑を洩らしながら咳いた。「まア気の早い、鴉ね、もう啼いて。」 彼は、妻の、その天晴れ美事な心境に、呆然としてしまった。彼はもう涙が出なか・・・
横光利一
「花園の思想」
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