夢か現か
《意外な事態に、信じられない気持ちを表して》この出来事は、夢なのか現実なのか。
夢かと許り
夢ではないかと思うほど。思いがけないことに出会ったときなどに用いる。「受賞の知らせに—驚いた」
夢通う
夢の中で行き来する。互いに夢に見る。「—・ふ道さへ絶えぬ呉竹のふしみの里の雪の下折れ」〈新古今・冬〉
夢騒がし
夢見が悪くて、胸騒ぎがする。夢見騒がし。「人々も—・しく聞こゆるに」〈栄花・疑ひ〉
夢違う
夢で予言されていたことが実現しなくなる。「御—・ひて、かく子孫は栄ゆさせ給へど」〈大鏡・師輔〉
夢になれ夢になれ
現実ではなくて夢になれの意で、凶事を吉事に変えようとするまじないの言葉。「此の事—とぞ願立てする」〈仮・竹斎・下〉
夢に夢見る
夢の中で、また夢を見る。ぼんやりしたさま、はかないさまのたとえにいう。夢のうちに夢を見る。「その句に魂の入らざれば、—◦見るに似たるべし」〈風俗文選・猿蓑序〉
夢の跡
夢のように消えうせた所。現実のむなしさをいう。「夏草や兵 (つはもの) どもが—」〈奥の細道〉
夢の通い路
「夢路 (ゆめじ) 」に同じ。「住の江の岸による浪よるさへや—人目よくらむ」〈古今・恋二〉
夢の徴
何かの前兆を夢で見ること。「春の夜の—はつらくとも見しばかりだにあらば頼まむ」〈新古今・恋五〉