おおにしはじめ【大西祝】
[1864〜1900]哲学者。岡山の生まれ。号は操山。東京専門学校で哲学・倫理学などを講じるかたわら「六合雑誌」を編集。ドイツに留学。カントの批判主義的態度に立ち、理想主義の普及に貢献し、明治中期の啓蒙家の役割を果たした。
おおにしりょうけい【大西良慶】
[1875〜1983]宗教家。奈良の生まれ。興福寺住職を経て法相宗管長、のち、清水寺貫主を兼務。日本宗教者平和会議の会長を務めるなど、平和運動にも貢献。著「菜根譚百則」など。
おおにしきょじん【大西巨人】
[1919〜2014]小説家・批評家。福岡の生まれ。本名、巨人 (のりと) 。新聞社勤務を経て、対馬要塞重砲兵連隊に入隊。戦後「近代文学」同人となる。昭和27年(1952)、評論「俗情との結託」で野間宏の「真空地帯」を批判し論争を引き起こした。長編小説「神聖喜劇」を約25年かけて執筆し、昭和55年(1980)完成。硬質な文体と社会の問題点を突く鋭い風刺で知られる。他に「三位一体の神話」「五里霧」など。