だいこくがさ【大黒傘】
近世、大坂の大黒屋が大黒天の印を押して売り出した番傘。粗末だが丈夫な作りで、江戸では番傘の総称になった。
だいこくこう【大黒講】
大黒天を信仰する者の講中。
だいこくこがね【大黒金亀子】
コガネムシ科の昆虫。体長約2.5センチ。体は楕円形で厚みがあり、黒色。雄には長い角がある。山地の牧場にみられ、地中に穴を掘り獣糞 (じゅうふん) を集めて産卵する。
だいこくずきん【大黒頭巾】
焙烙頭巾 (ほうろくずきん) の異称。七福神の大黒天がかぶっているのでいう。
だいこくてん【大黒天】
《(梵)Mahākālaの訳》 1 もとインドで破壊を意味する暗黒の神。密教では、大自在天の眷 (けん) 族として三宝を守護し飲食をつかさどる神となり、忿怒 (ふんぬ) 相を示す。寺の厨房 (ちゅうぼう) などに祭られた。 2 七福神の一。米俵の上に乗り、頭巾 (ずきん) をかぶり、打ち出の小槌 (こづち) を持ち、大きな袋を肩に担ぐ像で表される。中世以降、大国主命 (おおくにぬしのみこと) と同一視されて広く信仰され、恵比須とともに福徳の神とされる。
だいこくねずみ【大黒鼠】
シロネズミの別名。白色が吉兆とされ、福をもたらす大黒天の使いとされた。
だいこくば【大黒歯】
上あごの第一切歯のうち左側のものの俗称。右側のものを恵比須歯という。
だいこくばしら【大黒柱】
1 民家の土間と床との境の中央に立てる、特に太い柱。また、建物の中央に最初に立てる柱。亭主柱。 2 家や国の中心となって、それを支える人。「チームの—」
だいこくぼうし【大黒帽子】
大黒頭巾に似た、上が平らな丸形で縁のない帽子。明治中期に男性がかぶった。大黒帽。
だいこくまい【大黒舞】
室町時代から江戸時代にかけて行われた門付け芸の一。正月に大黒天の面をつけて赤い頭巾 (ずきん) をかぶり、打ち出の小槌 (こづち) を持って門口に立ち、新作した祝いの詞 (ことば) を歌いながら舞う。民俗芸能として、山形県・鳥取県などに残存。《季 新年》 歌舞伎舞踊。常磐津。本名題「舞奏 (もうておりそえ) いろの種蒔 (たねまき) 」。天保12年(1841)江戸市村座初演。3世桜田治助作詞、5世岸沢式佐作曲。当時浅草奥山で評判の大黒舞を写したもの。