・・・それにいろいろな雑誌の切抜きなどの整理新聞のせいり等、はっきりその必要とやりかたが分った折から、M子さんが小遣いも入用なので、一週定期的にセクレタリーをやってくれることになり、あなたからの本の御注文も古今未曾有のカード式整理方法によって整理・・・ 宮本百合子 「獄中への手紙」
・・・ お詣りの定期が終ったばかりだそうで、土産ものやの前は閑散であるし、虎丸旅館と大看板を下げたその家もしずかである。朝飯のとき前もってきめられていた方の室へ落付くと、石段町の裏の眺めはなかなか風情があった。古風なその一室は、余り高くない裏・・・ 宮本百合子 「琴平」
一 一九二八年九月二十八日、私ともう一人の連れとは、チフリスから夜行でバクーへやって来た。 有名な定期市が終った朝、ニージュニ・ノヴゴロドからイリイッチ号という小ざっぱりした周遊船にのって、秋・・・ 宮本百合子 「石油の都バクーへ」
・・・『新日本文学』の発行が用紙問題で定期的にゆかないということは、新日本文学会全体の活動に、重大なマイナスとなっていることは、皆さま、御覧になるとおりです。たとえば、徳永直さんの「妻よ眠れ」という小説は、『新日本文学』創刊号からのせられはじ・・・ 宮本百合子 「一九四六年の文壇」
・・・例えばモスクワの郵電省の一部に特別なラジオ学校見たいなものがあって、直接産業別の労働組合と連絡をとって、定期に専門講演を放送してモスクワ以外の工場都市の労働者教育に貢献している。 農村でもラジオは非常に発達して、モスクワから何百露里も離・・・ 宮本百合子 「ソヴェト同盟の芝居・キネマ・ラジオ」
・・・「研究会」定期的集会。それ等管理の委員制を各劇場はもっていなければならない。「研究会」は必ず専門の芸術的研究と並行して、政治教程の勉強をやっているのだ。従って演技も古い連中とは違う。故小山内薫氏が革命十年記念祭にモスクワへ来て、いろんな芝居・・・ 宮本百合子 「ソヴェトの芝居」
・・・十月の定期は短い時間でも聴けるだろうと思って居ります。 何卒よろしくおつたえ下さいませ 八日百合子 高根包子様 一九四七年五月二十七日〔岡山市内山下四番地 岡山県第一岡山中学校政経部宛 駒込林町より〕一、・・・ 宮本百合子 「日記・書簡」
・・・その役人とジャーナリストたちとの定期会見の席で、あるジャーナリストから編輯上の判断に困るから内務省として執筆を希望しない作家、評論家を指名してくれといったために、当局としては個人指名までを考えてはいなかったのに、数名の人の生活権をおびやかす・・・ 宮本百合子 「年譜」
・・・太平洋戦争がはじまる前まで、新交響楽団の定期演奏会は前売切符を会員に送った。その時分にひろ子もよくききにゆき、山沼というその青年も、大抵ききに来ていた。音楽をきいた帰りに、お茶をのみに歩いたりしても、山沼は、或る種の若い人のするような話しぶ・・・ 宮本百合子 「風知草」
・・・最近の定期大会では、世界平和の確保のために一層具体的な活動をすることと、児童のための活動が決定され、秋ごろにアジアの植民地、隷属国における婦人の大会が持たれることにきまった。 第二次大戦の歴史のなかで、日本の婦人の立場は、日本婦人自身に・・・ 宮本百合子 「平和への荷役」
出典:青空文庫