・・・もしかような時にせめて山岡鉄舟がいたならば――鉄舟は忠勇無双の男、陛下が御若い時英気にまかせやたらに臣下を投げ飛ばしたり遊ばすのを憂えて、ある時イヤというほど陛下を投げつけ手剛い意見を申上げたこともあった。もし木戸松菊がいたらば――明治の初・・・ 徳冨蘆花 「謀叛論(草稿)」
○パオリのこと ○父と娘との散策 ○武藤のこと ○貴婦人御あいての若い女 ○夢 ○隣の職工の会話 ○夜の大雨の心持。 ○小野、山岡、島野、(態度 ○十月一日 ○日々草 ×柳やの女中の・・・ 宮本百合子 「一九二五年より一九二七年一月まで」
・・・「わしは山岡大夫という船乗りじゃ。このごろこの土地を人買いが立ち廻るというので、国守が旅人に宿を貸すことを差し止めた。人買いをつかまえることは、国守の手に合わぬと見える。気の毒なは旅人じゃ。そこでわしは旅人を救うてやろうと思い立った。さいわ・・・ 森鴎外 「山椒大夫」
・・・六郎は東京にて山岡鉄舟の塾に入りて、撃剣を学び、木村氏は熊谷の裁判所に出勤したりしに、或る日六郎尋ねきて、撃剣の時誤りて肋骨一本折りたれば、しばしおん身が許にて保養したしという。さて持てきし薬など服して、木村氏のもとにありしが、いつまでも手・・・ 森鴎外 「みちの記」
出典:青空文庫