・・・ 主人公はオスタップ・ベンデルという山師で、北極飛行で世界に有名なシュミット博士の息子と称するいかさま師である。このベンデルが、永年の夢として抱いているリオ・デジャネイロ市へ永住するための資金を稼ごうとして、数年来あらゆる悪辣な秘密手段・・・ 宮本百合子 「音楽の民族性と諷刺」
・・・さもなければ、後藤静香の勤労学校のようにひどい山師の儲け仕事なのです。 それから又、高岡只一はソヴェト同盟の裁判と監獄についても語りました。ソヴェトの裁判が公開であるということ、監獄が、後れた労働者をよい労働者に仕上げて出すためのところ・・・ 宮本百合子 「共産党公判を傍聴して」
・・・ 私は大っきらい、 何だか変に山師じみてさ。 こんな事も千世子は云った。 二人は心から仲の良い様によっかかり合いながらとりとめもない事をぼそぼそと話した。「これから毎日貴方は描く絵を持って来私もしたい事をして一日・・・ 宮本百合子 「千世子(三)」
出典:青空文庫