・・・小説家としての私の愚見も、あるいは、ひょっとしたら、ひとりの勇敢な映画人に依って支持せられるというような奇蹟が無いものでもあるまい。もし、そのような奇蹟が起ったならば、これもまた御奉公の一つだと思われる。どんな小さい機会でも、粗末にしてはな・・・ 太宰治 「芸術ぎらい」
・・・この条件が何であるかについては他日また愚見を述べて学者の批評を仰ぎたいと思っている。 寺田寅彦 「火山の名について」
・・・らいだから、だれか生理光学に興味をもつ生理学者のうちにこの問題を取り上げてまじめに研究してみようという人があったらたいへんにありがたいと思うので、それでわざわざ本紙のこの欄をかりてこのような夢のような愚見を述べてみた次第である。それでこの一・・・ 寺田寅彦 「人魂の一つの場合」
・・・ 愚見によると、独歩君の作物は「巡査」を除くのほかことごとく拵えものである。ただしズーデルマンのカッツェンステッヒより下手な拵えものである。花袋君の「蒲団」も拵えものである。「生」は「蒲団」ほど拵えておられない。その代り満谷国四郎君の「・・・ 夏目漱石 「田山花袋君に答う」
出典:青空文庫