・・・ 青年論その他の形で旺に討論せられるヒューマニズム論は、自然、良心的市民全般の生活態度への示唆として注目をひきつけずにはいなかったのであったが、残念なことに、多くのヒューマニズム提唱者は、それぞれの持論の内に、第三者が直ちにそれをもって行・・・ 宮本百合子 「今日の文学の展望」
・・・家が王党であったにも拘らず小説に描いた現実は当時のフランスの歴史を進歩の方向で反映している、即ち作家の社会的見解などにかかわらず、小説はそのものとして進歩的なものであると云う文芸復興提唱者たちの日頃の持論を裏づけるところに置かれた。歴史的な・・・ 宮本百合子 「昭和の十四年間」
・・・従って、実力以上の負担を負うのは気の毒ながら何とかして町との均衡を保つために一つ私の考える事、持論があります。 ちっと話が大きくなりますが」――彼は大鉢の縁で煙草の灰を叩き落した。「つまり此の大神宮を昇格させようとする事なのです。そ・・・ 宮本百合子 「日記・書簡」
出典:青空文庫