・・・○ボグダーノフのみが彼の主観的観念論によって、過去の遺産をプロレタリア文化建設から排撃したのである。○「歴史過程の合則性」を新カント派の連中は宿命論 運命論にまで歪めている。――不可避論において。――自由主義的インテリゲンツィアが革・・・ 宮本百合子 「「若い息子」について」
・・・贅沢の排撃は結構だが、国民の比率で云えば贅沢という贅沢をしている人の数よりも、例えば無言のうちに都会の隅々で健康を破壊されて行っている若者の方が、どれだけか多かろう。 つい先夜も、玉の井あたりの小路をうろついていた若いものたちが二百何人・・・ 宮本百合子 「若きいのちを」
・・・ もしもコンミニストが、此の文学の、恰も科学の持つがごとき冷然たる素質を排撃するとしたならば、彼らの総帥の曾て活用したる唯物論と雖も、その活用させたる科学的態度を、その活用なし得た科学的部分に於て排撃されねばならぬであろう。・・・ 横光利一 「新感覚派とコンミニズム文学」
・・・羅山はそれ以前から熱心な仏教排撃者であって、そういう論文をいくつか書いているが、それによると、解脱は一私事であって、人倫の道の実現ではない、というのである。同時にまた彼は熱心なキリシタン排撃者であって、仕官の前年に『排耶蘇』を書いている。松・・・ 和辻哲郎 「埋もれた日本」
出典:青空文庫