・・・このような社会的条件のもとにいよいよ広汎に生れるまだプロレタリア的とはいえないが急進的革命的傾向をもち、その方向へ発展する要素と要求をもつ文学活動家に、より明確に現実を把握させ、掘り下げる方法を獲得させプロレタリア革命の現実的根拠の見透しに・・・ 宮本百合子 「社会主義リアリズムの問題について」
・・・で作者森山氏は主題の更に重厚な展開のために、主人公のような社会層のインテリゲンツィアと家族関係との奥に潜められている心理的因子を主人公の側からとらえ、掘り下げる必要があったことを心付かずにいた。そのことを伊藤氏も全く見落していられた。「幽鬼・・・ 宮本百合子 「数言の補足」
・・・行動をさける建前で、文壇のほか美術、楽壇からの参加も見る筈であり、綱領、会則等の規定なく、会員の加入脱会も自由という「フリーな立場で日本の神経を掘り下げる」組織としてあらわれた。会員の顔ぶれとして、林房雄、浅野晃、北原白秋、保田与重郎、中河・・・ 宮本百合子 「近頃の話題」
出典:青空文庫