・・・をやって支配階級の大量的殺人を援助し、ストライキを逃げ、階級意識を眠らす出征兵士慰問金をかき集める役をつとめるとしたら、果してわれわれは何事をなし得るであろうか! 地方の農村・小都市で封建性は強く日常生活の些細な感情の中にまで残っている・・・ 宮本百合子 「国際無産婦人デーに際して」
・・・ところで、今日そのような大生産のできる資本を持った雑誌は、数えるほどしかなく、それらの雑誌社は売れ口を数でこなすために、もっとも文化水準の低い広汎なおくれた層を目指し、支配階級がその商売を援助するように内容を飽くまでも、支配する側にとって良・・・ 宮本百合子 「今日の文化の諸問題」
・・・ どうせわたしたちは読むひまのない新聞といって、新聞の独占へ拍車をかけることは、この社会のすべての大資本、独占資本を援助することになる。新聞を読むひまのないほど、わたしたちの生活を追いつめている資本主義社会のひどい現象を助長することにな・・・ 宮本百合子 「主婦と新聞」
・・・その損害から恢復するための援助ということに添って、またふたたび、より悲惨な戦争が導き出されるような条件を存在させてはならない。戦争の惨禍にさらされた地球のすべての国の人民は、人民こそ、戦争の犠牲であることを、まざまざと知っている。それ故に人・・・ 宮本百合子 「戦争はわたしたちからすべてを奪う」
・・・ ワグナーは晩年には、音楽は民衆をたやすく統治するための有効な手段だと皇帝に書いて、オペラの隆盛を援助させた。愚民政策としてすすめている。しかも一九三〇年には生みの親のブルジョア社会の感覚が古典的オペラへの興味からくずれ出してレヴューだ・・・ 宮本百合子 「ソヴェトの芝居」
・・・こんにち、真実をもって努力しているすべての人々の文化的業蹟、仕事ぶりそのものを援助し、新たな展開、精神の成長の可能をこの社会の現実の中にうちひらいてゆくのが、党としての責任だろうと解釈している。そのような文化上の責任に対して、直接党にむすば・・・ 宮本百合子 「孫悟空の雲」
・・・その頃でさえ、全露作家協会の共同金庫は、生活に余裕ない作家の生活援助のために保健費を出したり、原稿料の一部の前借を計らったり、消費組合をもって燃料、織物などの共同購入の便宜を計らっていた。一九三〇年頃には便利な食堂も出来ていた。ノビコフ・プ・・・ 宮本百合子 「近頃の話題」
・・・において、日本資本主義の植民地的搾取の真相と、日本海軍がどのように人民収奪を援助する任務をもっているかということを、生産面においてくまなく描こうとした。「不在地主」「沼尻村」などは、農民の解放はプロレタリアートの闘争との結合なしには実現され・・・ 宮本百合子 「同志小林の業績の評価に寄せて」
・・・互に励しあい勉強しあって、夜が更けてからの気味わるい上野の山内をみんでかたまって帰って行くような扶け合いから、これらの人々は若い女の人たちの集りとしては珍しく、時によっては経済上の援助もしあった。その時分、一番早く一本だちになって開業した女・・・ 宮本百合子 「図書館」
・・・初期のマルキシストをふくむ急進的インテリゲンチアは、饑饉地方に出かけて行って、その救護や闘争のために全力的援助をした。饑饉が終るとコレラが蔓延し、一揆があちらこちらで起ったが、このとき、怒った大衆の標的とされたのは誰あろう、ともに餓えて疫病・・・ 宮本百合子 「冬を越す蕾」
出典:青空文庫