・・・機関銃の使い方も、野砲の使い方も、重砲の使い方も、また飛行機の操縦法も、戦車の操縦法も学ばなければならない。そして、その武器を、ストライキをやった同志や親爺や兄弟達にさしむけるのではなくブルジョアジーにさしむけてやるのだ。銃や、機関銃や、大・・・ 黒島伝治 「入営する青年たちは何をなすべきか」
・・・それで二日の午前に、まず第一に陸軍から、大橋特務曹長操縦、林少尉同乗で、天候の観測をするよゆうもなく、冒険的に日光へ飛行機をかり、御用邸の上をせんかいしながら、「両陛下が御安泰にいらせられるなら旗をふって合図をされたい」としたためたかきつけ・・・ 鈴木三重吉 「大震火災記」
・・・ こういう飛行機の操縦をするいわゆる鳥人の神経は訓練によって年とともに次第に発達するであろう。世界の人口の三分の一か五分の一かがことごとくこの鳥人になってしまったとしたら、この世界はいったいどうなるであろうか。 昔の日本人は前後左右・・・ 寺田寅彦 「からすうりの花と蛾」
・・・ こういう飛行機の操縦をするいわゆる鳥人の神経は訓練によって年とともに次第に発達するであろう。世界の人口の三分の一か五分の一かがことごとくこの鳥人になってしまったとしたら、この世界は一体どうなるであろうか。 昔の日本人は前後左右に気・・・ 寺田寅彦 「烏瓜の花と蛾」
・・・しかしそれでは肝心の事故の第一原因はわからないのでいろいろ調べているうちに、片方の補助翼を操縦する鋼索の張力を加減するためにつけてあるタンバックルと称するネジがある、それがもどるのを防ぐために通してある銅線が一か所切れてネジが抜けていること・・・ 寺田寅彦 「災難雑考」
・・・それはとにかく、亀さんが鳥人になったらおそらく人並以上の離れ業を演じ得る名操縦士になったことであろう。 亀さんの妹の丑尾さんとはあまり一緒に遊ぶことがなかったようである。その頃は男の子と女の子が遊んでいると、他の遊び仲間から「おとことお・・・ 寺田寅彦 「重兵衛さんの一家」
・・・同じ団体にはいってヘッベルの劇場の楽屋見学をしたときは、奈落へ入り込んでモーターで廻わす廻り舞台を下から仰いだり、風の音を出す器械を操縦させてもらったりした。音を出すのは器械だが、音を風音らしくするのはやはり人間の芸術らしいと思われた。・・・ 寺田寅彦 「ベルリン大学(1909-1910)」
・・・ ところが同じ船と海の事を書たものでも、船長が眼病で、船の操縦ができないのを、眼の見えるふりでどこまでも押し通す様子などになると、筋は海を離れて、船長自身の個人の身の上話しに移ってしまう。だからこういう場合にいくら海が活動してもそれほど・・・ 夏目漱石 「コンラッドの描きたる自然について」
・・・を横ぎり鉄道馬車の通う大通りへ曲らんとするところだと思いたまえ、余の車は両君の間に介在して操縦すでに自由ならず、ただ前へ出られるばかりと思いたまえ、しかるに出られべき一方口が突然塞ったと思いたまえ、すなわち横ぎりにかかる塗炭に右の方より不都・・・ 夏目漱石 「自転車日記」
・・・そして、ストラスナーヤ僧院の城砦風な正面外壁へ、シルク・ハットをかぶった怪物的キャピタリストに五色の手綱で操縦される法王と天使と僧侶との諷刺人形をつり上げ、ステッキをついた外国の散歩者の目をみはらせればよい。――ところで、 一寸、――こ・・・ 宮本百合子 「子供・子供・子供のモスクワ」
出典:青空文庫