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・・・ しかし万一もし盗んでいたとすると放下って置いては後が悪かろうとも思ったが、一度見られたら、とても悪事を続行ることは得為すまいと考えたから尚お更らこの事は口外しない方が本当だと信じた。 どちらにしてもお徳が言った通り、彼処へ竹の木戸・・・
国木田独歩
「竹の木戸」
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・・・に就いて書いて居られるが、あの中の「即ち十丈の竿のさきにのぼって手足を放って身心を放下する如き覚悟がなくては」という気持、あの「人を救うための求道ではない、真理の為めに真理を究める求道」であるという心境、それを私は求めたいと思います。私の目・・・
宮本百合子
「女流作家として私は何を求むるか」