・・・ 参考書のたぐい田中智学 大国聖日蓮聖人清水竜山 日蓮聖人の生涯山川智応 日蓮聖人伝十講有朋堂文庫 日蓮聖人文集室伏高信 立正安国論高山樗牛 日蓮とはいかなる人ぞ姉崎正治 法華経の行者日蓮・・・ 倉田百三 「学生と先哲」
・・・ 服部南郭の不忍池畔に住んだのは其文集について按ずるに享保初年の頃で、いくばくもなくして本郷に移り又芝に移った。南郭文集初編巻の四に即事二首篠池作なるものを載せている。其一に曰く「一臥茅堂篠水陰。長裾休レ曳此蕭森。連城抱レ璞多時泣。通邑・・・ 永井荷風 「上野」
・・・わたくしは塩谷宕陰の文集に載っている「遊墨水記」を以て更にこれを補うであろう。 静軒の文は天保に成ったもの、宕陰の記は慶応改元の春に作られたものである。宕陰が記の一節に曰く、「凡ソ墨堤十里、両畔皆桜ナリ。淡紅濃白、歩ムニ随テ人ニ媚ブ。遠・・・ 永井荷風 「向嶋」
・・・という自然描写のスケッチ文集を出版しているのであるが、これは、こんにちよむと、日露戦争以前の日本文学の中で、自然がどう見られていたかを知ることができ、なかなか興味がある。蘆花は当時としては欧州文化を早く吸収したクリスチャン出であったのだけれ・・・ 宮本百合子 「自然描写における社会性について」
・・・ 全ソヴェト作家協会からソヴェト芸術全般にわたって、新人紹介、その社会主義建設事業紹介の役割をもつ大文集が出版される計画だ。これは同時に、英、仏、独語で出版される。委員はアヴェルバッハ、アッセーエフ、ゾズーリャーなどだ。 プロレタリ・・・ 宮本百合子 「ソヴェト文壇の現状」
・・・この小説は後にソヴェトで革命文学の文集に集録された。五月〔中〕旬、前年の母の死によって中絶した取調べの続きだといって淀橋署に検挙された。十月。「日本共産党の外郭団体であるプロレタリア作家同盟の活動に従事し、共産主義を宣伝した」という・・・ 宮本百合子 「年譜」
・・・ 川端康成氏の序文は、この写生文集の本質をよく語っている。松山くにという少女の素直さ、弾力のある感受性。だが「癩療養所という世間離れのために」「あるいは読書と教育との変則のために、この子は年相当の成長はしなかったのだろう」その子供のここ・・・ 宮本百合子 「病菌とたたかう人々」
・・・一、もし文集として編集される見とおしがあるならば、わたしとしては、三篇五篇というなかには入らなかった記録のうちで、収録されたいものがあります。様々の生活のありかたを公平に照し出し、読者にそれについての省察を自由にして貰う条件をひろくする・・・ 宮本百合子 「「未亡人の手記」選後評」
・・・小説類、レーニン論文集、生理医学等の本がギッシリつまっている。「すべての勤労者に知識と健康とを!」 絵入りの手書壁新聞が貼られている。幾列も並んでいる長い卓子の一隅で、若い看護婦が帳面に何か書いている。われわれが入って行った時、一寸・・・ 宮本百合子 「モスクワ日記から」
・・・ この家族的な雰囲気に満ちた文集『葭の影』一巻は、私達子等をよろこばせ、尽きぬ感想の源泉となるばかりでなく、五ヵ月の相違で、母をその誕生によって悦ばすことの出来なかった太郎や未来のその弟妹たちにとっても、やがて、よき祖母からのおくりもの・・・ 宮本百合子 「葭の影にそえて」
出典:青空文庫