・・・プロレタリアとして十分自覚を持たずプロレタリアの革命を知らない労農大衆でさえ急進的なインテリゲンチア、小市民を含んで、自然発生的に搾取と横暴に反抗しつつある。その度はますます高まるでしょう。このような社会的条件のもとにいよいよ広汎に生れるま・・・ 宮本百合子 「社会主義リアリズムの問題について」
・・・老獪な支配者達が私達の心に残っている旧い考え方を足場としてまた再び彼等の横暴を返り咲かせないように、私達は生きることこそ欲しておれ、彼等のために侮辱的な毎日をひきずって行くことは御免であるという事実を知らせなければならないと思う。〔一九四六・・・ 宮本百合子 「青年の生きる道」
・・・だって、帝国主義国の海軍士官たちが真に迫っていて、思わず中国のプロレタリアートと一緒にその横暴ぶりを憤慨してしまった。 メイエルホリド劇場は、一体に研究心がつよい。革命直後、メイエルホリドが南露からモスクワへ帰って来て、教育人民委員会の・・・ 宮本百合子 「ソヴェトの芝居」
・・・ファシズムの強権と横暴から人間の理性と合理性と自主性とを守ることを根本の目じるしとしている。その人類共同の目的に向って参加して来る者は何者をも拒むまいとしている。国内的にそのことが言われると同時に、国際的にも同じ事情に置かれており、それぞれ・・・ 宮本百合子 「ヒューマニズムの諸相」
・・・民主的な人間の生き方は、治安維持法が撤廃されたときいろいろな人が口やかましく申しました。横暴であってはならない、思想の立場が違ったからといって弾圧してはならない等々、しかし一寸人を怪我させても罪を与える警察があれほどの人間を殴り殺しても刑法・・・ 宮本百合子 「婦人の創造力」
・・・出版・印刷の全組合員が、悪出版に抵抗して、組織ある発言をするとき、闇出版屋の横暴が何の痛痒も感じないということはあり得ない。出版・印刷関係の勤労者は、もっともっと自分の仕事の社会性を知ってほしいと思う。目さきのケースを越して、そこにつながる・・・ 宮本百合子 「文化生産者としての自覚」
・・・福沢諭吉が活躍した明治の開化期の、人の上に人のあることなし、人の下に人のあることなしの理想は、武士階級と町人資本との結合した太政官政府のひどい藩閥政治から、ひきつづく官僚の横暴、男尊女卑の現実などで一つ一つと破産させられた。万機公論に決すべ・・・ 宮本百合子 「平和への荷役」
出典:青空文庫