・・・私たち作家は、日本文化をけっしてまたとそのような目にあわせまいとかたく決意している。あってならないことは絶対にありえない条件を確保しようと願うのである。〔一九四六年七月〕 宮本百合子 「ある回想から」
・・・それらを要求するアメリカの大衆の意志にこたえる決意を明らかにしたからこそ、その人々の意志に支えられてトルーマンは当選した。ウォーレスの公正な政治的態度にバックされながら。そして、世界の平和と民主を欲する数千万人の注視のもとに。 日本の新・・・ 宮本百合子 「現代史の蝶つがい」
・・・世界平和のために戦争挑発とたたかい、戦争に誘いそれを暗示する思想と言論のカナライゼーションに抗してわれわれ自身を恥辱から救おうとする決意と行動は、こんにち、フランスの抵抗をまねる範囲をぬけている。一九五〇年は、日本の理性が試練される年である・・・ 宮本百合子 「五月のことば」
・・・白鉢巻姿の、決意に燃える婦人争議員の写真が目にのこっている。 このストライキが起る前、地下鉄の従業員達は出征する従業員を品川駅へ見送りにやらされた。が、その連中は会社側が渡した日の丸の旗を振ることを大衆的に拒絶し、プラットフォームで戦争・・・ 宮本百合子 「刻々」
・・・ 支配階級のファッショ化に抗して日本のプロレタリア・農民は決意的闘いを闘おうとしているのだ。 こういう切迫した情勢の下に、三月八日の国際婦人デーは迎えられようとしている。今度の婦人デーは、世界の、とくに支配階級のファッショ化、帝国主・・・ 宮本百合子 「国際無産婦人デーに際して」
・・・その同じ決意において、私たち民主作家は森田さんの前進する一歩に対して拍手をおくります。〔一九四八年五月〕 宮本百合子 「心から送る拍手」
・・・もしわれわれが本当に人間として基本的なものだけは守り通すという決意をもち、それが実践のためには牢獄と死をさえ辞せないだけの強い意志だけあれば、必ず我々はこのようなお調子にのった今日の右翼攻勢を粉砕しうる時はくる。」しかし、「戦術的には従来の・・・ 宮本百合子 「五〇年代の文学とそこにある問題」
・・・たち日本の男女が、人民として忘れることのできない経験を、ふたたび吟味することで、帝国主義というものの本質や侵略戦争の現実を学び、非人道な権力に強いられた残虐や民族的偏見をまたくりかえすことはしまいと、決意をもちはじめたとき、記録文学、実録文・・・ 宮本百合子 「ことの真実」
・・・けがれたまねは しまいと思うしっかりと 何よりもまず自らに立派で あろうと思う この生きる態度の決意と愛と真実をこの世に信じる心とは女詩人としての竹内さんの一途の道であると思える。そして、この一途の道は永年に・・・ 宮本百合子 「『静かなる愛』と『諸国の天女』」
・・・しかし事が自分の自由の内にあって自分の決意を待つものである限りは、私は自己の意志によってある者を殺し他の者を活かせる。もしくは一つの者を、殺した後に活かせる。これはもとより、私には容易なわざでない。それゆえ、私は精進する。 このような努・・・ 和辻哲郎 「「ゼエレン・キェルケゴオル」序」
出典:青空文庫