・・・そこで「国際資本団体は夢中になって、敵手から一切の競争能力を奪わんと腐心し、鉄鉱又は油田等を買収せんと努力している。而して、敵手との闘争に於ける一切の偶発事に対して独占団体の成功を保証するものは、独り植民地あるのみである。」だから、資本家は・・・ 黒島伝治 「反戦文学論」
・・・アメリカの作家シンクレアに「石油」がありやはりアメリカの婦人作家アリス・ホバードに「支那ランプの石油」があるのも興味がある。アメリカの油田が近代世界経済の鍵である事実をも考えさせると思う。 蝶、蜂、蟻などの物語は第十話第十一話にあるが、・・・ 宮本百合子 「科学の常識のため」
・・・へ行って油田を見せて貰えるつもりでいたところが、生憎その日はペルシアの日曜日――何かの宗教的祝日で、大通りの商店、事務所、すっかり表戸をおろしているのであった。 仕方がないから、自分たちは目抜の通りへ出て地図を買い、通行人に交って街をぶ・・・ 宮本百合子 「石油の都バクーへ」
・・・ 鉱山、油田に於ける労働から、犬をつれて羊を追っている牧童の仕事に至るまで、この二年間にひろがった生産の分野は数えつくされぬ。そこへ、ソヴェト国家は、労働者の能率を増し、同時に健康な休養を与えるため、五日週間を採用した。五日週間によって・・・ 宮本百合子 「なぜソヴェト同盟に失業がないか?」
・・・この秋、洋々たるヴォルガ河を下り、湯浅とコーカサス、バクー油田、ドン・バス炭坑見学をした。一九二九年正月から四月いっぱい、猛烈な胆嚢炎でモスクワ〔大学〕第一附属病院に入院した。五月から十一月末までベルリン、ウィー・・・ 宮本百合子 「年譜」
出典:青空文庫