・・・ 政治の本来は自ら自らを治める力と方法との自覚の謂であろうし、万民翼賛の思想にしろその本質に立つものと思うが、たとえば女子の高等程度の学校で、女生徒たちは昨今何かの自主的な活動に訓練されているのであろうか。 学校の寄宿舎生の間に、自・・・ 宮本百合子 「女性の歴史の七十四年」
・・・家庭を円満に治めるためにも、男子の手足まといになりすぎる程物の道理が判らなくても困るが、余りはっきりしすぎて男が煙たいほどでも亦困る、と。その基準で、いわゆる家事科目を中心とした、女子教育の基準が決定されたのであった。これが今日まで女子教育・・・ 宮本百合子 「私たちの建設」
・・・単なる家柄の代わりに実際の統率力や民衆を治める力が必要となったのである。だから政治的才能の優れた統率者が、いわゆる「群雄」として勃興して来た。彼らを英雄たらしめたのは、民衆の心をつかみ得る彼らの才能にもよるが、また民衆の側の英雄崇拝的気分に・・・ 和辻哲郎 「埋もれた日本」
出典:青空文庫