・・・ヴェトナムでも、人間関係方面は刻々に変化しつつあり、朝鮮における人間関係方面は、こんにち世界の注視をあつめた変動のもとにおかれている。 国連参加国の内部で、公然と科学の暴力を使用せよと叫んでいる者たちがあることは、もはやかくしようのない・・・ 宮本百合子 「「人間関係方面の成果」」
・・・菅季通の自殺は、太宰治の死、田中英光の死にまさって、こんにちのすべての良心に、人間としていかに生きるかの表現としての政治と文学の関係、そのなりゆきを注視させている。 こんにちプロレタリア文学史をよむひとは、一つの不便にめぐりあっている。・・・ 宮本百合子 「人間性・政治・文学(1)」
・・・それを念頭において今日の政治を観察し、ポツダム宣言に誓われた日本の民主化が巧妙に内外のファシズム勢力の増殖にすりかえられてゆく過程を注視すると、便乗というものの最悪の典型がそこに発見される。日本の小規模な独占資本は、より強大な国外の独占資本・・・ 宮本百合子 「便乗の図絵」
・・・を作家的特質として認めているこの婦人作家の今後の動きは注視される。 佐多稲子は「私の東京地図」をもって新しい出発に踏みだした。この連作で作者は戦災によってすっかり面がわりした東京の下街のあすこここを回想的に描き出しながら、そこを背景とし・・・ 宮本百合子 「婦人作家」
・・・と国際的な注視をあびているとき、現内閣はまっさきに婦人少年局を廃止しようとした。これはさわがれて、目的を果さなかった。大学法案というものを出して、これもごうごうの非難をあびている。大学法案は日本の学問が自主的に発展してゆく道を失わせるために・・・ 宮本百合子 「平和をわれらに」
出典:青空文庫