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・・・ 自分のことを眼の敵にして、手の上げ下しにろくなことを云わない津村にしたところで、腹の中は見え透いている。今までこそ、呉服は津村に限るとまで云われて、町随一の老舗で通って来たものが、このごろではうちにすっかり蹴落されて、目に見えて落ちて・・・
宮本百合子
「禰宜様宮田」
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・・・「津村教授」を帝国文学に発表。一行の批評も受けず、黙殺される。本田華子と結婚。 一九二〇年。『人間』正月号に「生命の冠」を発表。二月明治座に上演。翌月更に大阪浪花座に於て続演。はじめて戯曲家としての存在を認めらる。「津村教授」と二つ合せ・・・
宮本百合子
「山本有三氏の境地」