うらしまがい【浦島貝】
トウカムリガイ科の巻き貝。浅海の砂泥底にすむ。貝殻は卵球形で、殻高6センチくらい。殻表は浅い溝状の横縞 (よこじま) があるが滑らかで、淡褐色に濃褐色の斑点が規則正しく並ぶ。
うらしませつわ【浦島説話】
伝説「浦島太郎」の原型となる説話。古く雄略紀・逸文丹後国風土記・万葉集・続日本紀 (しょくにほんぎ) にみえ、平安時代以後も「浦島子伝」など多くの文献がある。大筋は「浦島太郎」と同じであるが、「浦島の子」は釣った亀の化した女性に従って仙境に至り、夫婦になって3年を過ごしたという形になっている。仙郷滞留説話の一つで、同類型は世界的に分布。
うらしまそう【浦島草】
サトイモ科の多年草。日陰地に生え、高さは40〜50センチ。葉は多数に裂けていて、長い柄をもつ。雌雄異株。晩春、紫緑色の仏炎苞 (ぶつえんほう) に包まれた軸に、多数の雄花、雌花をつける。軸の一部は紫黒色で長い糸状に伸びる。名は、これを浦島太郎の釣り糸に見立てたもの。有毒。《季 夏》「蜑 (あま) が家 (や) の簾 (すだれ) の下の—/青邨」
うらしまたろう【浦島太郎】
浦島説話の主人公である「浦島の子」の、御伽草子以降の呼び方。また、その伝説。丹後国の漁師浦島は、ある日助けた亀の誘いで海中の竜宮に行き、乙姫の歓待を受ける。土産に玉手箱をもらって村に戻ると、地上ではすでに300年が過ぎていたので、厳禁されていた玉手箱を開けてしまうと、白い煙とともにたちまち老翁となってしまう。 御伽草子。1巻。作者未詳。室町時代の成立か。浦島説話を題材にしたもの。浦島が老翁となったあと鶴と化し、乙姫が化した亀と夫婦の明神になる。 [補説]の説話から、長期間その場を離れていたために、事情がよくわからずに戸惑う人のたとえとして用いられることがある。また、広く世間や時代に取り残されたような状態・心境を表す語としても用いられる。
うらしまのこ【浦島の子】
浦島説話の主人公の漁師。丹後国筒川 (つつかわ) の人で、水の江 (え) の浦島の子ともいう。→浦島説話 →浦島太郎
うらしまこうか【浦島効果】
《「ウラシマ効果」とも書く》光速度に近い速度で運動している系の時間の進み方は、静止している観測者に比べて遅くなる現象。たとえば光速度の99パーセントで進む宇宙船内の時計は静止系の約1/7の速さで進むため、宇宙旅行から帰ってくると地球上では約7倍の時間が流れている。名称はこの現象を浦島太郎の説話になぞらえたもの。 [補説]アインシュタインの特殊相対性理論によれば、ローレンツ因子をγとすると時間の進み方はγ倍を掛けた分だけ遅くなる。
うらしまず【浦島図】
⇒浦島