・・・ 活動へ行くな、夜涼みに出るなと云って居ながら、平気で倍も倍も悪い様な事をしなければならない様に、云う者からして仕向けて居る。 子供の教育などと云う事を形式的に、両方でちゃんとあらたまって座って居る時に限るとか、親自身で面白がって居・・・ 宮本百合子 「二十三番地」
・・・ 夕方、山を眺めて涼みながら、私共は随分種々のことを話し合いました。 彼女が、どんなに故良人を愛慕しているかと云うことは、些細な言葉の端々にもうかがわれました。若し出来るなら、真個に一生彼の妻として終始したいと云う彼女の希望には微塵・・・ 宮本百合子 「ひしがれた女性と語る」
・・・跡に残っている人は為方がないので、公園内の飲食店で催す演奏会へでも往って、夜なかまで涼みます。だいぶ北極が近くなっている国ですから、そんなにして遊んで帰って、夜なかを過ぎて寝ようとすると、もう窓が明るくなり掛かっています。」 かれこれす・・・ 森鴎外 「かのように」
出典:青空文庫