渋団扇(しぶうちわ)
の例文・使い方・用例・文例(2)
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・・・夏の暑い盛りだと下帯一つの丸裸で晩酌の膳の前にあぐらをかいて、渋団扇で蚊を追いながら実にうまそうに杯をなめては子供等を相手にして色々の話をするのが楽しみであったらしい。松魚の刺身のつまに生のにんにくをかりかり齧じっているのを見て驚歎した自分・・・
寺田寅彦
「重兵衛さんの一家」
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・・・唯見ればお妾は新しい手拭をば撫付けたばかりの髪の上にかけ、下女まかせにはして置けない白魚か何かの料理を拵えるため台所の板の間に膝をついて頻に七輪の下をば渋団扇であおいでいる。七 何たる物哀れな美しい姿であろう。夕化粧の襟足際・・・
永井荷風
「妾宅」
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