火事と喧嘩は江戸の花
江戸は大火事が多くて火消しの働きぶりがはなばなしかったことと、江戸っ子は気が早いため派手な喧嘩が多かったことをいった言葉。
かじしょうぞく【火事装束】
消火に従事する人の服装。江戸時代は、火消しが作業服として着たものと、警備用に武家が用いたものとがある。火事頭巾 (かじずきん) ・火事羽織・野袴 (のばかま) などを着用した。
かじずきん【火事頭巾】
江戸時代の火事装束の頭巾。武家は兜 (かぶと) 頭巾を、町人は革・羅紗 (ラシャ) ・刺し子などで作った頭巾を用いた。猫頭巾。
かじどろ【火事泥】
火事場泥棒。
かじば【火事場】
火事のおこっている現場。また、火事で焼けたばかりの場所。「—泥棒」
かじばおり【火事羽織】
江戸時代、火事装束に用いた羽織。武家のは革・羅紗 (ラシャ) 製の身丈が短めの打裂 (ぶっさき) 羽織で、前後5か所に定紋をつけた。火消しのは普通の羽織と同じ形で、紺無地の木綿を刺し子の袷 (あわせ) 仕立てにし、背や襟に所属の組印や組名を染め抜いた。
かじばどろぼう【火事場泥棒】
1 火事場のどさくさに紛れて盗みを働く者。火事どろ。 2 ごたごたにつけこんで不正な利益を得ること。また、その人。火事どろ。
かじばみまわり【火事場見廻】
江戸幕府の職名。享保7年(1722)設置。若年寄の支配下で、江戸市中に火事があったとき、消火の指揮に当たるほか、被害状況などの視察・報告を行った。
かじみまい【火事見舞(い)】
家が火災で焼けたり、近火があったりした人を見舞うこと。また、見舞いのために送る手紙や品物。《季 冬》
火事場の馬鹿力
《火事のときに、自分にはあると思えない大きな力を出して重い物を持ち出したりすることから》切迫した状況に置かれると、普段には想像できないような力を無意識に出すことのたとえ。