火を吹く
1 ほのおが吹き出る。激しく燃え出す。「燃料タンクが—・く」 2 銃口から弾丸が激しい勢いで飛び出す。「機関銃が—・く」 3 内にたまっていたものが表に激しい勢いで出る。「怒りが—・く」 4 《かまどの下の火を吹いて炊事をする意から》暮らしを立てる。「今はさりとも—・くべき便りなく」〈浮・沖津白波〉
火を吹く力も無い
かまどの下の火を吹きたてることもできない。ひどく貧乏なさまのたとえ。「塵 (ちり) も灰もなく—・く」〈浮・永代蔵・一〉
火を見たら火事と思え
少しの火を見ても火事になるかも知れないと心がけよ。物事には用心の上にも用心をせよというたとえ。
火を見るよりも明らか
《「書経」盤庚上から》きわめて明らかで、疑いを入れる余地がない。火を見るより明らか。明々白々。「泣きをみるのは—である」 [補説]ふつう、悪い結果になるのが予想される場合に使う。文化庁が発表した平成20年度「国語に関する世論調査」では、本来の言い方とされる「火を見るより明らかだ」を使う人が71.1パーセント、本来の言い方ではない「火を見るように明らかだ」を使う人が13.6パーセントという結果が出ている。
火を以て火を救う
《「荘子」人間世から。火で火事を消そうとするという意から》害悪を除こうとしてかえってそれを助長する。状況がますます悪くなるだけで何の益もないたとえ。
火に掛ける
鍋などを火の上に置いて加熱する。「やかんを—・ける」
火を入れる
1 かまどやストーブなどに火を付ける。また、そうして部屋を暖める。「暖炉に—・れる」「客間に—・れる」 2 火力発電所や溶鉱炉などに点火して、操業を開始する。 3 食品などを火で加熱する。「カレーに—・れる」