・・・そして一体天才の出現を無制限に望むのがいいか悪いかという根本問題に触れたところで、アインシュタインの独特な社会観をほのめかしている。しかしこれらの点の紹介は他の機会に譲ることにしたい。・・・ 寺田寅彦 「アインシュタインの教育観」
・・・なぜと言えば、そういう宣伝は無制限に波及する気づかいがないからである。これに反して「善い事」の宣伝のほうはかえってはるかに危険であるかもしれない。なぜとならば、それはひょっとしたらどこまでも広がるかもしれないという恐れがあるからである。そう・・・ 寺田寅彦 「神田を散歩して」
・・・時間が無制限ならば百や二百の生玉子をのむのは容易である。 ウィーンのある男は厳重なる検閲のもとにウインドボイテルを六十九個平らげた。彼の敵手は決勝まぎわに腹痛を起こして惜敗したと伝えられている。 こういう種類の競技には登場者の体重や・・・ 寺田寅彦 「記録狂時代」
・・・だが、二応、三応と、実際の客観的事情に照らし合わせて考えて見た場合、こういう風に様式化したまんまの人物を無制限につかって、どの程度のリアリスティックな芸術の感銘を与えることが出来るかという点は、疑問になって来る。 何故なら、ソヴェト同盟・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
・・・近代戦争の無制限な戦線拡大は、戦争の非人道性をあらゆる人におもい知らせました。戦争を嫌悪する心、平和な状態で平和な人民生活を安定させたいという願いは、第二次大戦でどっさりの血を流した世界にあまねく感じられている現在の要望です。 第二次大・・・ 宮本百合子 「討論に即しての感想」
出典:青空文庫