玉手箱(たまてばこ)
の例文・使い方・用例・文例(2)
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・・・浦島太郎なら玉手箱の土産があるけど、復員は脊中の荷物だけが財産やぞ。その財産すっかり掏ってしもても、お前何とも感じへんのか」「…………」 亀吉は眼尻の下った半泣きの顔を、お加代の方へ向けた。 お加代は煙草を吹かしながら、ぼそんと・・・
織田作之助
「夜光虫」
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・・・梶は自分も少しは彼に伝染して、発狂のきざしがあったのかもしれないと疑われた。梶は玉手箱の蓋を取った浦島のように、呆ッと立つ白煙を見る思いで暫く空を見あげていた。技師も死に、栖方も死んだいま見る空に彼ら二人と別れた横須賀の最後の日が映じて来る・・・
横光利一
「微笑」
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