・・・の中倉の翁が、なんと言うて、その太い指を出す、「一本」 ことごとく飲み仲間だ。ことごとく結構! 今夜も「加と男」がノッソリ御出張になりました。「加と男」とは「加藤男爵」の略称、御出張とは、特に男爵閣下にわれわれ平民ないし、平ザムライ・・・ 国木田独歩 「号外」
・・・の燃えつくときの蒼白な焔の色と亜硫酸の臭気、こうした感覚のコムプレッキスには祖先幾百年の夢と詩が結び付いていたような気がする。 マッチのことは「スリツケ」と云った。「摺り附け木」の略称である。高等小学校の理科の時間にTK先生という先生が・・・ 寺田寅彦 「追憶の冬夜」
・・・n[『メーヌ・ド・ビラン未刊行著作集』]を購入することができたので、晩年の Fondements de la psychologie[『心理学の基礎』]や Anthropologie[『人間学新論』の略称]などを読むことができた。今でも私は・・・ 西田幾多郎 「フランス哲学についての感想」
出典:青空文庫