・・・縞の襟の剥げた、袖に横撫のあとの光る、同じ紺のだふだふとした前垂を首から下げて、千草色の半股引、膝のよじれたのを捻って穿いて、ずんぐりむっくりと肥ったのが、日和下駄で突立って、いけずな忰が、三徳用大根皮剥、というのを喚く。 ・・・ 泉鏡花 「露肆」
・・・ 敵が来て傷を負ったおれの足の皮剥に懸るを待ってみるのか? それよりも寧そ我手で一思に…… でないことさ、そう気を落したものでないことさ。活られるだけ活てみようじゃないか。何のこれが見付かりさえすれば助かるのだ。事に寄ると、骨は避けてい・・・ 著:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ 訳:二葉亭四迷 「四日間」
出典:青空文庫