こうまくがいけっしゅ【硬膜外血腫】
頭蓋骨と硬膜の間で出血が起こり、血液が貯留した状態。頭蓋骨の骨折を伴う場合が多い。受傷直後に発症する急性硬膜外血腫が多いが、数週間から数か月後に症状が現れる慢性硬膜外血腫などもある。 [補説]硬膜とくも膜の間で出血し血腫が生じた状態を硬膜下血腫という。
こうまくかけっしゅ【硬膜下血腫】
硬膜と脳の間で出血が起こり、硬膜とくも膜の間に血液が貯留した状態。主に重度の頭部外傷後、短時間に症状が現れる急性硬膜下血腫、軽い頭部打撲後、数週間から数か月後に症状が現れる慢性硬膜下出血などがある。外傷がない場合でも、脳動脈瘤 (どうみゃくりゅう) 破裂などで急性硬膜下血腫、動脈硬化や加齢による脳萎縮などで慢性硬膜下血腫が起こることがある。 [補説]頭蓋骨と硬膜の間で出血し血腫が生じた状態を硬膜外血腫という。
こうまくがいくう【硬膜外腔】
脊髄を覆う硬膜とその外側を囲む脊柱管の間にある空間。また、頭蓋骨と硬膜の間にある隙間。硬膜上腔。 [補説]硬膜は内層と外層の2層構造になっている。脊髄では、硬膜の外層が骨膜として脊柱管の内側をおおい、内層が脊髄を袋状に包んでいる。狭義に、この内層を脊髄硬膜と呼ぶ。脊髄の硬膜外腔は、硬膜の外層(骨膜)と内層(狭義の脊髄硬膜)の間にある空間で、静脈が張り巡らされた脂肪組織で満たされている。一方、脳では、硬膜の内層と外層が、一部を除いて密着している。脳の硬膜外腔は、その外側にあるわずかな間隙で、リンパ液や脂肪組織がある。
こうまくがいくうないしきょう【硬膜外腔内視鏡】
⇒硬膜外内視鏡
こうまくがいないしきょう【硬膜外内視鏡】
脊髄の外側にある硬膜外腔 (くう) に挿入する、直径1ミリ以下の細い内視鏡。難治性の慢性腰下肢痛の診察・治療などに用いられる。硬膜外腔内視鏡。エピドラスコピー。
こうまくがいないしきょうしゅじゅつ【硬膜外内視鏡手術】
硬膜外腔に内視鏡を挿入し、神経周辺の癒着組織を剝離、洗浄することにより疼痛 (とうつう) やしびれを緩和する治療法。神経ブロックなどの治療法が効かない慢性の腰痛、難治性の腰部椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などに対して行われる。エピドラスコピー。
こうまくがいブロック【硬膜外ブロック】
硬膜外腔に局所麻酔薬を注入して交感神経や知覚神経を一時的に抑制することにより、血行障害を改善したり疼痛 (とうつう) を緩和したりする治療法。神経ブロック療法の一。
こうまくがいますい【硬膜外麻酔】
脊髄神経を麻痺させるために、硬膜外腔に局所麻酔薬を注入すること。全身麻酔の補助、手術後の疼痛 (とうつう) の抑制、ペインクリニックなどに用いられる。
こうまくがいしゅっけつ【硬膜外出血】
硬膜にある動脈や硬膜が破れて、硬膜と頭蓋骨の間に出血した状態。頭蓋内出血の一つ。硬膜上出血。
こうまくかくう【硬膜下腔】
くも膜と硬膜の間にある狭い空間。リンパ液で満たされている。