こもりい【籠もり居】
家にじっと引きこもっていること。また、その家。籠居 (ろうきょ) 。
こもりえ【隠り江】
アシなどが茂っていたり、岬などに囲まれたりして、隠れて見えない入り江。「—に思ふ心をいかでかは舟さす棹のさして知るべき」〈伊勢・三三〉
こもりえの【隠り江の】
[枕]「泊瀬 (はつせ) 」にかかる。中世以後に、「こもりくの」が誤り伝えられたもの。「—泊瀬の山は色づきぬ」〈続古今・秋下〉
こもりくの【隠りくの】
[枕]《「く」は所》大和の泊瀬 (はつせ) は山に囲まれた所の意から、「泊瀬」にかかる。「—泊瀬の川の上つ瀬に」〈万・三二六三〉
こもりごえ【籠もり声】
こもってはっきりしない声。くぐもり声。ふくみ声。
こもりず【隠り処/隠り所】
草木などに覆われて、他から見えない場所。また一説に、水草に覆われて見えない沼や沢。「—の沢たつみなる岩根ゆも通りて思ふ君に逢はまくは」〈万・二七九四〉
こもりずの【隠り処の】
[枕]隠れて見えない場所の意から、「下」にかかる。「—下よ延 (は) へつつ行くは誰が夫 (つま) 」〈記・下・歌謡〉
こもりそう【籠もり僧】
1 山や寺などにこもり、一定の期間修行をする僧。 2 人の死後49日の間、喪屋にこもって仏事を修する僧。「わづかに—三、四人の勤めにて」〈太平記・三九〉
こもりづま【隠り妻】
人目を忍ぶ関係にある妻。かくしづま。「恋ひしくもしるくも逢へる—かも」〈万・三二六六〉
こもりど【隠り処】
隠れて人目につきにくい所。「—の沢泉なる岩根をも通してそ思ふ我 (あ) が恋ふらくは」〈万・二四四三〉