・・・大事にして、かわいがっていたやまがらを、自分の考え違いから、殺してしまっては取りかえしがつかないと思いました。けれど、どうしてもやまがらにお湯をやったことを、まだ、まったく、悪いことをしたとは思われませんでした。なんとなく、金魚の場合とは、・・・ 小川未明 「ある日の先生と子供」
・・・ 哀れ。考え違い。 舞姫などこのように、情慾も、好奇心もないのに、そういう目に会う。 のち、男にひかされ、ひどい生活を五年する――男、口入の一寸よいの。いつも、百や二百の金は財布にある、但人の金、女そんなこととは知らずにかかる。・・・ 宮本百合子 「一九二五年より一九二七年一月まで」
・・・彼は、インテリゲンツィアというものは無条件にいつも進歩的であるように考え違いしていた。そのために新しい社会は、無差別にインテリゲンツィアと革命的労働者との階級的混成指導部によって建設され得るのではないかという混乱した見解をもった。レーニンと・・・ 宮本百合子 「マクシム・ゴーリキイの人及び芸術」
出典:青空文庫