・・・特別保護住民だった僕にだれも皆好奇心を持っていましたから、毎日血圧を調べてもらいに、わざわざチャックを呼び寄せるゲエルという硝子会社の社長などもやはりこの部屋へ顔を出したものです。しかし最初の半月ほどの間に一番僕と親しくしたのはやはりあのバ・・・ 芥川竜之介 「河童」
・・・しかしよく考えてみると枕や寝床の触感のほかに横臥のために起こる全身の血圧分布の変化はまさにこれに当たるものであると考えられる。問題の「車上」の場合にはこの条件が充分に満足されている事が明白である。ただむしろ刺激があり過ぎるので、病弱なものや・・・ 寺田寅彦 「路傍の草」
・・・労働調査のために医員が出張して、一つのキャンプを試験管や血圧検査機で一杯にしている。「ギガント」事務所のわきにフォードの幌形自動車がとまって、踏段に片足かけ、パイプをほじっているのは、縞シャツのアメリカ技師だ。洒落た鎌と槌との飾りをつけ・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェト同盟の文化的飛躍」
・・・を書き終ったとき、血圧が高まり、五年前に夏巣鴨の拘置所のなかでかかった熱射病の後遺症がぶりかえしたようになった。視力が衰えて、口をききにくくなって来た。仕方がなくなって、友人の心づかいで急に千葉県の田舎へ部屋がりをした。そして、その友人に日・・・ 宮本百合子 「「道標」を書き終えて」
・・・七月に過労のため血圧が高くなりまた視力があやしくなった。そのため三ヵ月ほど休養した。後半期は講演を全廃した。組織の会合にも欠席することを許して貰った。小説だけにしたこの仕事の割あては今日もつづいている。一九四七年度の毎日出版文化賞が・・・ 宮本百合子 「年譜」
・・・一九四五年秋以来、創作のほかに可能の最大な範囲で講演、各種の委員会、選挙闘争など活動をつづけ、一昨年夏、第一回文化会議の直前高血圧と心臓機能障害によって医師から活動の制限をうけました。 その後、昨年夏、再び心臓障害と高血圧に苦しみ、十・・・ 宮本百合子 「文学について」
・・・ 不熱練 熱練 志.片. 志.片.猶太人 ……4/2―5/2 6/3―8/4アラブ人……1/3―2/1 3/1 交通機関の血圧上昇がやや緩和された。フリート町だ。・・・ 宮本百合子 「ロンドン一九二九年」
出典:青空文庫